コーチングを学び始めた人が承認のスキルを実践できるように解説しました。
コーチングの承認が身に付くと、セッションでこのような効果が生まれます。
- クライアントが安心して話せるようになります。
- クライアントとの信頼関係がつくられます。
- クライアントが自分を肯定することを援けます。
セッションの安定した運営のために欠かせないものです。
承認のスキル=クライアントを認める技術と言い換えることができます。それでは、クライアントの何を認めることが大切なのか? この認める対象を理解することで、承認のスキルを実践できるようになります。
承認のスキルをスライドと音声で解説した動画をYouTubeに公開しました。動画で学びたい方はこちらもぜひご覧ください!
【動画で学ぶ】コーチングの承認とは何か?相手を認める5つのポイント
1.承認のスキルで認める5つの対象
承認のスキルで認める対象は5つあります。
- 相手の存在そのもの
- 相手が話している言葉
- 相手の価値観
- 相手の自己認識(セルフイメージ)
- 相手の選択と行動
これらを1つずつ順番に解説していきます。
1-1.相手の存在そのものを認める
相手の存在そのものを認めるとは、相手の存在に敬意を払うということです。
クライアントの存在そのものを尊重する言葉を心の中にもっておくことで、相手を認める感覚がつかみやすくなります。
例えば、
- あなたは大切な存在です。
- あなたはありのままで大切な存在です。
- あなたには価値がある。
- あなたには可能性がある。
- あなたには無限の可能性がある。
- あなたは重要な存在です。
- あなたは無条件で重要な存在です。
このような言葉の中から、あなたにしっくりくる言葉を心の中にもってクライアントに向き合うことで、相手の存在そのものを認めるという感覚がつかめてきます。
1-2.相手が話している言葉を認める
クライアントが話している言葉をそのまま受け止めます。
話の内容が客観的事実かどうかではなく、相手がそのように話しているという事実を受け止めることが大切です。
例えば、クライアントが、
「B君は何も実績を上げていない。そんなB君が私よりも先に昇進するのは間違っている」
と話した場合、コーチはB君の実績の有無や昇進の妥当性を判断するのではなく、クライアントはB君が何も実績を上げていないと感じていて、自分よりも先に昇進するのは間違っていると話している事実を認めます。
1-3.相手の価値観を認める
価値観とは、対象者が価値を認め、大切にしている考え方です。
クライアントが、
- 何を理想とするか
- 何を目標とするか
- 何を大切にするか
- 何を目的とするか
- どんな人でありたいか
- どんな人になりたいか
- そのために何をするか
- どんなやり方で行うか
などのすべてを尊重し、認めます。
コーチは自分が嫌いなもの、苦手なものに留意してセッションを運営する必要があります。
例えば、販売方法がテーマのセッションで、
- 対面セールスが苦手でネット販売が得意なコーチは、対面セールスを避けてネット販売に結論を誘導してしまうリスクがあります。
- 反対に、ネット販売が苦手で対面セールスが得意なコーチは、ネット販売を避けて対面セールスに結論を誘導してしまうリスクがあります。
このようなケースで問題なのは、クライアントの価値観が置き去りになっていることです。クライアントが自分の得意なことを活かし、やりたいことをやりたいやり方で実践・実現できるように、クライアントの価値観を認めることが大切です。
1-4.相手の自己認識(セルフイメージ)を認める
セッションでクライアントが話す自己認識(セルフイメージ)を認めます。
自己認識(セルフイメージ)はこのような言葉で表現されます。
- 私は○○が苦手
- 私は○○が得意
- ○○に自信がない
- ○○に自信がある
- 自分の○○が嫌い
- 自分の○○が好き
具体的な例としては、
- 人前で話すことが苦手
- 営業に自信がない
- 文章に自信がない
- 自分の声が嫌い
- 慎重すぎる性格が嫌い
などです。
例えば、クライアントが「自分の慎重すぎる性格が嫌いです」と言った場合、まずそのクライアントの自己認識を認めることが大切です。
自己認識はクライアントの行動と再決断によって変えていくことができます。そのための第一歩が自己認識と向き合うことなのです。コーチはクライアントの自己認識を認めることによって、クライアントが自分の課題と向き合うことを援けます。
1-5.相手の選択と行動を認める
相手の選択と行動を認めるとは、
- セッションでクライアントがどんなテーマを選ぶか
から始まります。
そして、
- クライアントが何を話すか
- クライアントが何を話さないか
を尊重し、認めます。
- どんなゴールを設定するか
- どんなプロセスを選択するか
を認めます。
さらに、継続セッションでは、
- 結果、どのような行動をしたのか
- どのような行動をしなかったのか
(どのような行動をしないという選択をしたのか)
を認めます。
継続セッションが終了したときには、
- コーチングの契約を更新するのか
- コーチングの契約を終了するのか
クライアントの選択を尊重し、認めます。
このようにクライアントの選択と行動を尊重し、認めること。
これがコーチングの「承認」です。
2.まとめ:コーチングの承認で相手を認める5つのポイント
承認のスキルで認める5つの対象について解説しました。
- 相手の存在そのもの
- 相手が話している言葉
- 相手の価値観
- 相手の自己認識(セルフイメージ)
- 相手の選択と行動
5つの中から1つ実践するだけでもセッションは劇的に変わります。クライアントが安心して話せるようになるからです。ぜひ、変化を確かめてくださいね。
承認のスキルを解説した動画をYouTubeに公開しています。繰り返し学んで身に付けたい方は復習用の教材としてご活用くださいませ。
【動画で学ぶ】コーチングの承認とは何か?相手を認める5つのポイント
ご愛読いただきありがとうございました!
北村卓也 / プロコーチ
コメント