私は石川県で生まれました。
大学に進学して千葉県で一人暮らしを始め、
就職後の配属で大阪勤務となり、
そのあと転勤で東京勤務となり、
2015年からプロコーチとして独立して今に至ります。
一人暮らしを始めたころからだと思います。
数ヵ月に一度、石川県に住む母が私に電話をかけてくれます。
具体的な用事があることは少なく、近況報告や
私が元気にしているかを気遣っての電話です。
そんなに頻繁に話しているわけではないので、
楽しく会話ができればそれで十分なのですが、
多くの場合、なぜだか理由がはっきりしない内に口論となり、
険悪な雰囲気になって電話を切るというのを繰り返していました。
私がよく言われたのは、
「卓也はいつも理由を聞くけど、
それを言葉にできないこともある。
あなたと話していると頭が痛くなってくる」
でした。
それに対して私は、
「それじゃあ、
お母さんの言ってることが理解できない。
お母さんとどう話したらいいのかわからない」
と返していました。
ここで、
そんな私もコーチングで変わりました!!
今は母と楽しく電話できています!!
と書きたいのですが、
残念ながらそこまで一気に解決とはいきませんでした笑
ですが今は、
少なくともケンカを食い止めることができるようになりました。
また、ケンカをしたとしても関係を再構築できるようになりました。
今日は、
なぜかケンカばかり繰り返してしまう両親(や家族)に対して、
プロフェッショナルとしてのコーチングスキルを
最大限に発揮しても関係修復が難しかった時に、
私がどんな手を打っているのかをご紹介します!
ポイントは、コーチングのスキルが機能するための
信頼関係がつくれていない状態だということです。
つまり、会話や対話での修復が難しくなってしまった状態を想定しています。
裏を返せば、コーチングを知らなくてもできる極めて効果的な方法なのです。
私は最近、年に2回ほど帰省する度に、
以下の3つを実践して、
両親、祖父母との関係性をつくるように心掛けています。
*
1.ハグをする
北村の長年のコミュニケーション研究の結果、
これが一番効果的なのではないかと感じています。
石川県に帰省して、また東京に戻るときに、
父と、母と、1秒くらいずつハグをします。
会話がとげとげしい雰囲気になっても、
関係がぎくしゃくしても、最後にハグをすれば、
(北村と両親の場合)なんとなく丸く収まります。
お互いを大切に思っていることが伝わるからです。
ちなみに実際にハグをすると、
母は、「ありがとう」と言ってくれます。
父は、恥ずかしそうに笑いますが、表情がとても柔らかく、
私も、温かい気持ちになります。
北村は、今、淡々とハグについて記事を書いていますが、
これは単に、実践を重ねてそうなっているだけです。
(*私にとっては、奇跡といっても過言ではないくらいの変化です。)
最初は誰でも恥ずかしいと思います。
ぜひ、1回目の壁を乗り越えてくださいね!
コツとしては、まず、お父さんかお母さんのどちらか、
やりやすい方から始めること。
子供のころ、両親に抱っこしてもらったのを
お返しするつもりでやってみてください!
2.握手をする
ハグはちょっとハードルが高いと感じるときには、握手もおすすめです。
ここでの握手は、「手を取る」という意味合いのものです。
私は、石川県に帰省する度に、
祖父と、祖母に、これを続けてきました。
これにはきっかけがあります。
私の祖父は2010年に85歳で亡くなりました。
亡くなる前、祖父は病院に入院していました。
当時会社員だった私は、帰省の度にお見舞いに行きました。
私の中で祖父は、
「好きな仕事を一生懸命やって、遊ぶように生きた事業家」です。
私が今独立して、コーチングの事業に取り組んでいるのは、
祖父の生き方に憧れ、幼いころから仕事に取り組む姿を見てきたことが影響しています。
そんな祖父は、病院のベッドの上で、どんな気持ちだったのか?
医師は診察や治療をしてくれます。
看護師は心身のケアや身の周りのサポートをしてくれます。
しかし、お見舞いに行った私が思ったのは、
「だれか祖父の身体に触れているのだろうか?」でした。
ここでの「触れる」は物理的な接触ではなく、
精神的な意味合いを含んだ「手当て」のことです。
祖父は死を恐れているようには見えませんでしたが、
心の中でどう思っているのかはわからない。
私は治療も身の周りの世話もできませんが、
とりあえず「手を握る」ことはできると思ったので、
祖父の手を握ったまま横に座っていました。
祖父の気持ちが少しでも安らぐと思ったからです。
3.子供のころの写真を見る
ハグも握手も難しいです。
というかもはや触れたくないです。という場合には、
子供のころの両親との写真を見るのがおすすめです。
両親と一緒に写っている写真じゃなかったとしても、
写真から撮影した人の気持ちを想像することができます。
そこで一度、立ち止まって考えてみてください。
「なぜ、こんな写真を撮影したのだろう?」
その写真から、あなたが愛されていた証拠が、
今も変わらず、愛されつづけている証拠が見つかります。
他者を変えることはできませんが、
他者に対する認識を変えることはできるのです。
もし、両親(や家族)との関係が
どうしてもうまくいかなくなってしまったら、
一度、自分の中にある相手の認識を
(この場合は写真を見ることで)リフレッシュしてから
相手を見つめてみてください。
あなたとの関係性が、変わり始めます。
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